キャンピングカーはなぜ高速80キロ走行を推奨されているのか

今回のお話はキャンピングカーを初めて購入しようとしている又は運転しようとしている人向けのお話です。
※この記事の目的はキャンピングカーの危険な面をしっかり理解していただき、安全に楽しんでいただけるように考える為のものです。

昨年から始まったコロナ渦で、お出かけ先で密を避けられるキャンピングカーの需要はどんどん高まりをみせていて、キャンピングカーの販売数も増えています。

ネットで情報を仕入れる方も多いと思いますが、調べているとキャンピングカーは80キロ以上出さない方が良いといった記事をよく目にすると思います。販売店の方も同じことを仰ると思います。それはなぜでしょうか?

理由はざっくり「危ないから」なのですが、どう危ないのかきっちり説明しているサイトが少ないように思いましたので、キャブコン乗りの目線から解説したいと思います。

①ベース車の安全性が低い
※画像は大型トラック事故の救出訓練のものです。同クラスの車に追突したという想定のものですが、運転席が潰れてダミー人形が挟まれています。

キャンピングカーのベース車の殆どはキャブオーバーの小型トラックまたは商用車が採用されていますが、キャブオーバーは事故の際に衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンがほぼないため、ボディを固くする事で、生存空間を作るように設計されています。
そのため、一般的な乗用車の「潰れながら衝撃を受け止める」といったことが構造上難しく、単独事故などでは乗用車と比べると安全性は圧倒的に不利になります。

写真は
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaeronbun/48/6/48_20174853/_pdf/-char/ja

よりお借りしました。少し古い論文ですが、大型トラック同士の事故による乗員の怪我の比率のデータになります。
一番上から軽傷、重症、死亡例になっており、軽傷・重症共に脚の負傷が非常に多くなっています。

これは、クラッシャブルゾーンがほぼないために、ドライバーに衝撃がかかりやすく、同時にキャビンが潰れることにより脚などが挟まれる可能性が高いことを示しています。重症例最多は脚の骨折ですが、これには当然足の切断も含まれます。

小型トラックなど、商用車の衝突安全性やブレーキ性能は乗用車と同じではないため、慎重な運転操作が求められるということを肝に銘じておく必要があるでしょう。

②重心が高く、急な姿勢変化で横転しやすい

現在、日本で箱型のミニバンは沢山走っています。たとえば、トヨタのノアやヴォクシーや日産セレナ、ホンダステップワゴンなどが代表例でしょう。
近年はこれらのクルマの衝突安全テストの結果がインターネットで簡単に閲覧できます。

ここで、注目していただきたいのは、側面衝突試験です。

いわゆる箱型のミニバンの多くがこの側面衝突試験で横転してしまいます。キャンピングカーよりも重心が低いミニバンでも急な姿勢変化が発生すると、こうなってしまうのです。
キャンピングカーなら、ミニバンよりも気をつけて運転しないと、まずいのはご理解いただけると思います。

たとえば山道などでカーブを曲がるときに「思ったより速く入ってしまった時」
普通車なら、カーブの中でブレーキを強く踏みながら曲がる事が出来るかもしれませんが、キャンピングカーでそれをやると横転する可能性が高くなります。(重心の急激な変化が起こる)

なので、キャンピングカーではカーブの前で十分に減速し、ゆっくり入ってゆっくり出る意識を常に保つ必要があるのです。(私は譲れるところでは後続車にどんどん道を譲るようにしています。)

↓でもご紹介していますが、あくまでも急加速 急ハンドル 急ブレーキなど、姿勢が急に変化するような運転をしないようにゆとりを持った運転が安全につながります。


③キャンピングカーは緊急回避できない・止まれない

これは②に近いのですが、高速道路には様々な危険があります。
落下物や車線上での停止車両など、見通しの悪いところに突然現れることがあります。

私は以前、夜の高速道路を走行中にスペアタイヤが車線上に落ちてるのを確認して慌てて回避した経験があります。

正直、死ぬかと思いました。
それでも、普通自動車でしたら安全を確認し、急ハンドルを切って回避したり、急ブレーキを踏んで停止したり出来るかもしれません。

しかし、
重量の重いキャンピングカーはブレーキを踏んでも思ったようには止まりません
重心の高いキャンピングカーは急ハンドルを切ると横転します。
    
あの時の速度をレジストロアウルで出していたら回避はできなかったでしょう。


阪神高速を走行中に落下物に遭遇したら?~遭遇・発見した時の対処法を解説!~|阪高SAFETYナビマガジン

高速道路を走行中に落下物に遭遇したことはありませんか? あれってすごく危険ですよね。実際に落下物は後続車の事故や渋滞の原因になっているんです。というわけで、この記事では阪神高速道路株式会社 保全交通部の加瀬さんに、阪神高速における落下物発生状況や遭遇した時の対処法などについて解説していただきます!落下物に限らず、事故や故障など道路上での異変を発見されたら、道路緊急ダイヤルへのご連絡を受け付けているんです。1. 道路緊急ダイヤル(#9910)へ通報2. 自動音声が流れる  「こちらは道路緊急ダイヤルです。…」3. 自動音声に従い番号を選択  → 阪神高速に関する緊急通報は2を選択4. 阪神高速の管制室につながりますこの後、通報を受けた交通管制員は場所を特定するため、以下のことをお伺いします。阪神高速道路株式会社では、「STOP!NAGARA DRIVING PROJECT」(通称「SNDプロジェクト」)という高速道路における新しい交通安全啓発プロジェクトを推進しています。 わき見をし「ながら」の運転、スマートフォンを操作し「ながら」の運転、運転手の身勝手なあおり運転(イライラし「ながら」運転)など、高速道路での交通事故につながる危険運転は悲惨な事故を招いてしまいます。 ドライバーのみなさんの心がけひとつで防げる事故があります。 STOP! NAGARA DRIVING みんなの想いで交通事故ゼロを目指しましょう。>>SNDプロジェクトHPへドライバーの方から非常電話や道路緊急ダイヤル(♯9910)が入った後の流れは以下のようになります。・管制室から指令が出され、最寄りのパトロールカーが現場に急行する・落下物を発見した場合は直ちに後続車に注意を促し、後方警戒にあたりながら迅速に落下物を回収する・大型の落下物の場合は緊急の車線規制を行うそれは主に、・車間距離をあけること ・スピードを控えること ・情報板を確認することこの3つです。この記事では、阪神高速道路株式会社 保全交通部の加瀬さんと、阪神高速パトロール隊員の羽室さんに阪神高速における落下物についてのお話を伺いました。走行中に落下物に遭遇した際は、2次、3次

safetynavi.jp

阪神高速のHPより、これを見ると実にいろいろなものが落ちているようです。

鈍重なキャンピングカーでも速度が低ければ障害物を回避できる可能性は上がります。大切なのは、普通車を運転する時以上に危険があるかもしれないと意識し続ける事だと思います。

それと、私が気になっているのは、近年増加しているダブルタイヤのキャンピングカー
リアがダブルになったから100キロで走っても大丈夫。なんて訳はありません。
フロントタイヤはシングルです。そして、フロントタイヤのバーストも当然あります。
速度が出ていてフロントタイヤがバーストすれば、あっという間に制御不能になってしまうでしょう。
横転して路面を滑走してしまっては、どんなに強化したブレーキもサスペンションも高性能タイヤも無意味です。

ならば、最高速度を80キロまでと決めておいて、状況に応じて減速する運用をする方が安全性は高まります。速度が高くなればなるほど、姿勢変化が起こった時の車体の動きは激しくなるためです。

左側車線を走っていれば平均速度は下がります。
速度が低ければ、何かあった時に対処できる時間が長くなりますし、姿勢変化が小さくなるので、立て直せる可能性が高くなります。

普通自動車と比べると、目的地までの所要時間は3割増しくらいの感じで考えておいた方がいいと思います。
疲れを感じたら焦らず休憩する。車内でゆっくり足を伸ばして休憩できるのは、キャンピングカー最大の強みです。

重ね重ねになってしまいますが、キャンピングカーはセダンやワゴン車と比べても不安定なクルマです。そんな普通車とは違う不安定な乗り物を運転しているという意識を忘れて乱暴な運転すれば、大惨事になりかねません。

事故になってしまうと、キャンピングカーをダメにしてしまいますし、乗員も危険に晒されます。
せっかく購入したキャンピングカーですから末長く大切に乗りたいですね。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

withしっぽ

2019年 春より 始動  予定 野良猫対策としてはじめたTNR活動 猫の保護活動 でえたノウハウをもっと広めたい、もっと身近なものに!!! しっぽのある 家族とともに よりよい生活を行うために スタート致します!!!

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